パチスロ動画や専門チャンネルは教科書的存在コラム
インターネットや専門チャンネルの普及により、パチスロ動画は数を増やし続けています。今やパチスロ動画は打ち手が事前に情報を集めるための教科書的存在になりつつあります。番組構成はもちろんのこと、出演者のキャラクターが光る番組が人気を左右しています。今回はそんなパチスロ動画についてお話したいと思います。
はじまりはローカル番組
パチスロ動画ブームに火をつけたのは、福岡ローカルで放送されていた「レバーオン!」という番組でした。それ以前にもパチスロ番組は多くあったのですが、この番組は当時あった初心者グラビアアイドルは一切使わずに、パチスロ雑誌で有名なライターをゲストとして起用しました。主にパチスロ必勝ガイドの面々を中心に、ローカルながら知名度を全国レベルにまで引き上げていきます。
この番組の成功が、別にアイドルじゃなくてプロを呼べばいいんじゃないか? ……という流れを呼びます。今思えば、打たない人は見ないジャンルの番組だからこそ、分かる人が打っているのは心地良いものだったのでしょう。中ではパチスロライター個人のキャラクターが受け、一気に地方芸能人状態になった方もいます。そしてYouTubeやニコニコ動画を中心に、パチスロ動画ブームが広がり多数の新チャンネルが生まれました。
予期せぬイベント規制が拍車をかける
パチスロ動画ブームが始まった頃に、パチンコ屋のイベント規制が入りました。困ったパチンコ店が目を付けたのが、有名パチスロライターを呼ぶことでした。あくまでイベントではなくホール取材の為に、あのローカル番組で活躍中の○○さん来店!と看板を掲げ、イベント規制後の集客手段として使われるようになりました。
来店自体は昔から芸能人や歌手が来ていたので、禁止とはいえないグレーゾーンかもしれません。パチスロライターも昔から来てはいたのですが、当時はお客が多かった上にカメラが邪魔なので、むしろ来店取材は嫌がられる傾向にありました。
来店取材は地域によっては規制されているので、地域によっては全く来ないという妙な落差を生みました。つい最近では京都府が来店取材を自主規制しましたが、その流れは未だ広まっていない状況です。
人気番組とのコラボが集客効果を生む
そして来店取材はお客側としても、設定を入れる店と入れない店の物差し代わりになり、来店日の稼動がとてつもなく上がりました。特に「髭原人氏」「シーサ。氏」の動画はニコニコ動画やYouTubeを中心に大人気となり、彼らの来店時には大繁盛を通り越して並んでも座れない状態にまでなっています。ホールもイベント代わりになるものを求めていましたが、お客もそれは同じだったのではないかと予想されます。実際、通常営業より甘い店舗が多く、来店イベント狙いのお客も増え続けている印象です。
集客能力は個人のキャラクター次第なので、とにかく面白い番組になる人が重宝されました。新台なら打たずして仕様が理解でき、教科書的存在に……そこからパチスロ動画の人気は膨れ上がりました。詳しい人でも把握できないくらいに「パチスロ動画専門タレント」が増え続け、一般人の方もパチスロ動画デビューを果たすまでにブームは加速しています。
特にYouTubeはパチスロ動画が多く、「bashTV」や「うちいくTV」などのキラーコンテンツを増やしています。登録不必要で無料で見られるYouTube、そして反応が丸分かりなニコニコ動画をメインにパチスロ動画はエンターテイメントの筆頭ジャンルになりました。
規制の可能性もあり得る?
警察からすればイベントを禁止したのに、これでは何の意味もない……と感じるかもしれません。ゆえに何度も来店取材には苦言を呈しているのですが、ここを禁止されたら厳しい状況に追い込まれてしまうホールも存在するため、暗黙の沈着状態が続いていると言えます。
パチスロ動画は来店取材で、打っている模様を流しているので、ここが規制されるということはパチスロ動画自体大幅に減ることになります。現状、業界全体がこのパチスロ動画ビジネスに乗っている形なので、警察が正式に禁止を言い渡すまでパチスロ動画は終わらないでしょう。制作会社、駆け出しグラビアアイドル、動画サイトのメインカテゴリ、CS放送の専門チャンネル全てがパチスロ動画に関わっていますし簡単ではありません。また純粋に動画を楽しんでいるユーザーも多くいるのも事実です。
ひとつの流行とも言えるパチスロ動画が、今後どのような変化をするのか。またどのようにホールは新たな集客手段をつくるのか。そしてユーザーはどこから情報を収集するのか。業界はもとより関係各社も注目していると思います。様々なコンテンツが渦巻く昨今ですが、今後の動画を中心とした戦略も楽しみにしています。